絆 つながり

お題「わたしの仕事場」職場の有料老人ホーム。居室で廊下を挟んで向かい合わせのお部屋に住んでいるお二人。認知症も進み、なかなか会話も噛み合わず、日常生活にも支援を要する状態ですが、馬が合うのか、デイサービスでも食堂でもいつもお二人がちょこんと座っておられる。穏やかな表情で何を喋るでもなく座っておられる。ある意味ホームのワンシーンのよう。そんな中、数日前よりお一人が腰を痛め臥床がちになってしまいました。昨日の事、もう1人の方が心配そうに居室入り口から顔を出されキョロキョロとされています。「どうされましたか？」と声をかけると、心配そうなお顔で「あの人は、、。」とおっしゃる。そこで向かいの方に声をかけてみました。すると起き上がり、痛い腰を押さえながら入り口まで出てこられたのです。お二人のご対面。「大丈夫？」「大丈夫かね？」「よう（よく）寝とき（寝て下さいね）。」「まぁ、ごめんねぇ。」「心配かけて。」とお互いの肩を抱き合いながらさすりおられる姿。日頃、会話をされていなくても、心が繋がっているんだなぁと思い、感動のご対面のようで思わずこちらも涙が出そうになりました。お二人の小さな橋渡しが出来て幸せな気分になった1日でした。